セレンディピティとは?

セレンディピティとは、予期せぬ偶然によってもたらされた幸運や、ある特定の何かを探しているプロセスの中で、求めているものではない別の価値あるものを偶然に発見する力を意味します。
セレンディピティという言葉は、小説家であるホレース・ウォルポールが、『セレンディップの3人の王子たち(The Three Princes of Serendip)』という物語から生み出した造語だと言われています。この物語の中で、三人の王子はそれぞれの持つ知恵や洞察力によって偶然に幸運を手にしていきます。
見過ごしてしまいそうな小さな偶然に意味を見出す力があってこそ、セレンディピティは生まれます。
3つの参加バリエーション
01
参加してみる
02
開催してみる
03
つくって開催してみる
SBDで必要なもの

セレンディピティ・カード
本に関する3つのキーワードだけが書かれたカード

セントラル・クエスチョン
対話のために作られた根源的な「問い」

対話時間
場の上昇気流に到達する闘値を考慮した対話時間
DAY1 – 対話
ひとりでセレンディピティ・カードを選ぶ
はじめに全体で一つの問い「Central Question」(以下、CQ)が提示されます。CQについて考える上で最も気づきが得られそうな一冊を、12枚の目次だけが書かれた「セレンディピティ・カード」から予想し、1枚を選びます。
グループで対話
グループで「セレンディピティ・カード」を選んでいきます。他者との対話を通じ「なぜ?」を考え「決定」するプロセスを経験し、他者の意見から広がりや深まりを実感します。
カード・読む本を決定
カードを1枚に決定し、読書会のために読む本が決まります。DAY2までに各自で読んできます。
DAY2 – 読書会
「自分」を認識
読書後の感想を一人ひとりが言葉にします。自分の考えを言葉にして出す練習にも、自己認識の機会にもなります。
グループで対話
セントラル・クエスチョンと読んできた書籍をもとに対話を行い、セントラル・クエスチョンに対するグループでの答え出しを必ず合意するまで行います。
グループごとに考えをシェア
同じ問いでも、要素が異なることで考える方向性が変わること、シェアすることで気づきや学びが膨らむことなど、多様性や協調の大切さを実感します。
SBDとは何なのか?

セレンディップの三人の王子が単に運に恵まれたということではなく、その偶然の幸運のもとには、王子たちの
- 見えない意味を見出す洞察力
- それぞれの個のよさを活かし、小さな意味を大きな価値に転じる力
- そうしたいと思う気持ちを支える努力
がありました。
SBDも同じです。少ない情報から協力し意味を見出し一冊を選びます。選んだ一冊は普段自分では選ばない書籍のため、読むためには少しの努力が必要です。しかしこれは、DAY1のプロセスによって「読みたい」「次へつなげたい」という気持ちが芽生えているため、越えていくことができるのです。そしてDAY2では、複数の人の多面的な視点が持ち寄られ、それぞれ個では小さかった意味が大きな価値に転じていきます。
SBDは、楽しみながら達成感も感じることができ、チームビルディングにも適しているのです。
Volatility(変動性・不安定さ)、Uncertainty(不確実性・不確定さ)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性・不明確さ)の4つのキーワードの頭文字からとったVUCAと言われる先の見えない時代の中では、安易に答えを求めたり選択するのではなく、表面にはまだ見えていない「意味」を探りながら、共に自分や自分たちの解を見出していくことは、とても必要な力になります。
ご参加者の方からいただいた感想

読書会は今まで数回の経験ですが、これは本当に楽しかった!
まさに「セレンティピティ」に身を任せ、「ダイアログ」を通じて「ブック」と自分の理解を深める。そんなイベントだったように思います。
求めてるものは自分の論理の中では見つかりにくいんだなあ〜と感じました。
全てを偶然や運に頼るのは性に合わないけれど、最後に身をまかせるのは直感や素敵な偶然だというのは、生きてきてずっと「そうなんだな」と思っています。
そんなセレンティピティ≒「偶然」を「意図的に」取り入れる余白は、こういう忙しない世の中でとても大切だということを意識できたことが、何よりの収穫かもしれません。
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